システム創成学科では,課題探求能力の育成を目的として「プロジェクトベー
ス」の演習をカリキュラムの中心に位置付けています.プロジェクトでは,少
人数のグループを組んで,様々なテーマに取り組み,「自分たちで考え計画し」,
「自ら装置やプログラムを作り」,「それらを動かして評価する」ことにより,
実践的な知識を身につけていきます.また,同時に,グループでの研究活動の
仕方を身につけ,将来,様々なグループをまとめていく際に必要となるスキル
を身につけます.さらに,全てのプロジェクトにおいて発表会が用意されてお
り,皆さんにはプロジェクトで得られた成果を発表してもらいます.できるだ
け多くの発表の機会を設けることで,社会に出ていく上で必須の能力とも言え
るプレゼンテーション能力を磨いてもらいます.
●本コースのプロジェクトの構成は次のようになっています.
2年冬:動機付けプロジェクト
このプロジェクトにおいては,心電図測定装置や,ワンチップマイコンを用い
た倒立振子などを製作します.自ら作った装置が動いたときの喜びを知っても
らい,工学に対する興味を高めてもらうと同時に,今,自分たちにどのような
知識が不足しているか,そして,本コースで教える知識が,実際にどのように
役立つのかを認識してもらいます.
倒立振子プロジェクト
倒立振子プロジェクトは,手のひらの上に立てた棒が倒れないように動かす動
作をマイクロコンピュータで制御した模型自動車(ミニ四駆)で実現するプロ
ジェクトです.子供の頃に親しんだおもちゃを大学で学ぶ専門知識を使って改
造し,知的な動作を実現することには大きな歓びと感動があります.簡単な構
成ですが,メカトロニクスの基盤技術である機械力学,制御工学,電子工学,
プログラミングの入門的要素をすべて含んでいる中身の濃いプロジェクトです.
心電計プロジェクト
心電計プロジェクトは、4−5人の班で心電計を製作することにより生体電気
計測の基本を体験し、実際の生命現象に触れることのできるプロジェクトです。
生体電気計測・電気生理学の基礎を学ぶと同時に、実際の電子回路工作を行う
ことで、電子工学の基礎を実習を通じて体験します。どうしたらきれいな心電
図が得られるのか、教科書には書かれていない工夫が必要です。自分の手で作
成した計測器で心電計測ができたときには、ちょっとした喜びを味わうことが
できます。
2年生動機付けプロジェクト発表会(2004.1.30)
2年生が4-5人のグループに別れ,心電計と倒立振子ロボットを作ります.
学期末にコンテスト(発表会)があり,優勝チームは表彰されます.
3年夏:基礎プロジェクト
このプロジェクトでは,設計演習,調査演習のプロジェクトを通じて,研究活
動を進める上で不可欠な基礎能力を養ってもらいます.まず,設計演習プロジェ
クトでは,情報機器の心臓部とも言えるハードディスクドライブの構造を解き
明かし,設計していくことで,システム設計に不可欠な設計力を養います.調
査演習のプロジェクトでは,グループごとに一つのテーマについてインターネッ
トや学術データベースを用いて調査を行い,主に英語で書かれた文献を調べ,
発表してもらいます.情報が氾濫する現代においては,必要な情報を選び出し
整理するスキルは必要不可欠なものです.このプロジェクトでは,それらのス
キルを皆さんに身につけてもらいたいと考えています.
3年冬:応用プロジェクト
ここでは,2つのプロジェクトが用意されます.一つは実験演習プロジェクト
で,実際に研究する上で必要となる様々な装置を実際に動かしてもらうことで,
専門的・実践的知識を養うとともに,研究遂行に必要な能力を磨いていきます.
もう一つのプロジェクトは,「ミニ卒論」です.ここでは,各自(場合によっ
ては2,3人で)一つの研究テーマを与えられ,これまでの授業やプロジェク
トで習得した知識・技術を総動員して,未知の世界へと切り込んでいきます.
応用プロジェクト2テーマ一覧
3年生応用プロジェクト2発表会( 2004.1.29)
3年生が2-3人のグループに分かれて研究室に所属し,半年間自由なテーマに取り組みます.
4年:領域プロジェクト&卒業研究
4年生になると,皆さんは,一人一人研究室に配属され,一人一つの大きな研
究テーマを与えられます.そして,一年間をかけて,与えられた研究テーマに
取り組みます.最先端の研究テーマが各学生に与えられるため,皆さんの手で
世界有数の研究成果を生み出すことも夢ではありません.一年という長い期間
にわたり一つのテーマにじっくりと取り組むことで,これまで見えてこなかっ
た様々な新しい世界が皆さんの前に開けてくるはずです.これらのプロジェク
トを通じて,皆さんは,研究者としての第一歩をふみだすことになります.
卒業論文テーマ一覧
現在計画中のプロジェクト
マイクロファブリケーションとバイオ技術の接点(計画中)
生体組織から取り出した細胞がガラス基板上で成長する様子をタイムラプス画
像取得により観察します。基板にフォトレジストを用いて加工したline & space
パターン等の表面処理に応じて、細胞が異なる振る舞いを
見せる事がわかります。
硬いもの(通常の電子材料など)と軟らかいもの(生体材料)を結びつけ
ることが意外に(?)簡単であることを認識することができます。こうした経
験により、工学技術を背景とする生体システムへのアプローチにおいて新たな
発想が生まれることを期待します。
知識として習得されることを期待する技術
- フォトリソグラフィの基本技術
- 細胞培養の基礎
- 位相差顕微鏡像の観察
- タイムラプス画像取得