学科長より

学科長挨拶

学科長

システム創成学科って何をやっているの?という疑問は誰もが思うことでしょう。私にも一言で言い表すことはできないので、数行を使って、以下に私なりの説明をしてみます。
環境問題、エネルギー問題、食料問題、人口問題などの21世紀型の新しい問題は、政治、経済、社会が絡み合った複雑システムとなっていて、工学や理学、経済学といった従来の学問領域個別には解くことのできない問題となっています。システム創成学科は、工学にとどまらず、様々な学問体系を集約して、このような正解のない問題に対して、「正解」を追及するのではなく、人間社会や環境、生態系などがバランスを保ちつつ、共存しながら繁栄するための「最適解」を求めるための教育をしています。

そのために、まず2年生後半から3年生にかけて「数理学」を徹底的に学びます。これにより、自然現象や社会現象を、数式や数理モデルで表現するために必要な、実用的な数学やコンピュータシミュレーションなどに組み込む数理モデルの基礎を習得することができます。これを武器に、3年生後半、4年生前半と進むに従って、実際の社会ニーズに即した問題の解決手法を、Project-Based Learning(PBL)に則った演習によって体得していきます。4年生になると学生は各研究室に配属し、卒業論文研究を始めることになります。「研究」ですから、まだ誰も解いていない問題を世界に先駆けて初めて解くことにチャレンジすることになります。実際、卒業論文研究の結果は、国内外の学会で発表することになったり、国際的な科学誌に掲載することになる例も多々あります。その後、大学院に進む場合は、博士課程はもちろんですが、修士課程でも世界の最先端の研究をすることになり、その成果は世界的な評価を得ることになるでしょう。

従って学生の進路は様々です。約70%の学生が大学院に進学します。システム創成学科の特徴的なことは、工学部の他学科では、例えば〇〇工学科から〇〇工学専攻へと画一的な進路となっているのに対し、システム創成学科の学生の進学先として、工学系研究科のシステム創成学専攻、技術経営戦略学専攻、原子力国際専攻、新領域創成科学研究科の人間環境学専攻、海洋技術環境学専攻、環境システム学専攻、先端エネルギー工学専攻などがあげられます。またこれらの大学院に進学してから、教員の所属によって、エネルギー・資源フロンティアセンター、人工物工学研究センター、生産技術研究所などで研究する学生もいます。このようにシステム創成学科からの進学先の選択肢は多様です。就職先も、他学科のように卒業生のほとんどが同一業種に就職するのと異なり、製造業、エネルギー関連企業、官公庁、金融関連企業、コンサルティング系など、多岐に渡っています。また、ほとんどの学生は希望通りの就職ができているようです。

このようにシステム創成学科は、多様性を尊重し、そのなかから興味の対象を見つけ出し、卒業時には問題解決のエキスパートと言えるだけの知識と技術を獲得することが可能となります。しかもここで学んだ数学や数理モデル、またそれを駆使してPBLによって体得した問題解決手法は、様々な分野に応用が利く体系なのです。すなわち数理学という「基礎力」と共に、「応用力」が身につくことになります。既に多くの卒業生が社会で活躍しているように、学部卒業後、あるいは大学院修了後に社会で様々な職業につくことになっても、ここで学んだことは必ず役に立つことになるでしょう。
早く皆さんと一緒に勉強できる日が来るのを楽しみにしています。

2016年4月
システム創成学科 学科長 佐藤 徹

東京大学

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