村山 英晶 准教授 テーマ一覧

研究内容

村山研究室では,安全・安心な社会,持続可能な社会の構築のため,構造物・機械,社会システムの信頼性向上を可能とする技術の開発に取り組んでいます.
その一つが知的材料・構造の開発です.人間は,体のどこかで異常(痛みや不快感)を感じれば(自己診断),それらを自己修復したり,自分が置かれている環境を変えたり,専門家(医者など)に治療してもらうことができます.これが私の考える「スマート(知的)」です.そして,これらは私たちが隅々まで発達した神経網と判断力の優れた脳を持っているから可能なことです.もし,構造物や機械が私たちと同じような機能を持っていれば,より信頼性と安全性を高め,寿命を延ばすことができるはずです.影山・村山・鵜沢研究室では,これまでのセンサにはない優れた性能を持つ光ファイバセンサを開発し,それらを構造物や機械の神経網として利用し,データを分析して自己診断を可能にする解析技術の開発を行っています.最終的に統合されたシステムは構造ヘルスモニタリングシステムと呼ばれ,構造物・機械をこれまでにない「スマート」な人工物へと進化させることができるのです.
また,先進複合材料による構造物の軽量化に取り組んでいます.F1,競技用ヨットや次世代航空機に用いられている CFRP(炭素繊維強化プラスチック)と呼ばれる鉄よりも軽く強い材料を用いることで,構造物・輸送機器を軽量化し,エネルギー消費量の少ない効率的なシステムを実現することができます.しかし,不均質で異方性の強い材料であるため,上手に設計し,製造する必要があります.影山・村山・鵜沢研究室の計算・製造・試験設備を活用し,より軽く,強い,新しい複合材料構造の開発を行っています. さらに,超小型飛行ロボットを研究しています.小型(15cm以下)で,自律的に自由自在に飛行できるロボットの開発は近年非常に盛んな分野ですが,まだまだ未開拓な分野でもあります.流体,構造,計測制御など工学的な手法を駆使し,それらをインテグレートしてシステムを開発する必要がありますし,一方で構成要素の大幅な改善はシステム全体を進化させる起爆剤となり得ます.システムと要素技術の両面から,またシミュレーションと実験の両面から研究を進めています.

指導・研究体制

影山・村山・鵜沢研は,3名の教員,3名の職員,およびポスドク(外国人を含む),学生(社会人を含む)で構成され,研究室として指導・研究に取り組んでいます.
またテーマ毎に大学院生の学生とともにゼミを開催しています.さらに研究室で使用頻度の高いソフトウエアや工学的基礎知識についてもゼミを開催します.

受入人数

領域プロジェクト:
3名
卒業論文:
3名

説明会

下記の要領で説明会を行います. ただし,学生の希望により日時を変更する場合があります.

【影山・村山・鵜沢研の領域プロ・卒論説明会】

日時:
平成23年2月2日(水曜日) 13:00~15:00
場所:
工学部仮設プレハブA棟1階会議室

その他

質問などがあればメール等で連絡をください.なるべく対応します.
村山英晶のメールアドレス: murayama@giso.t.u-tokyo.ac.jp

領域プロジェクト(最大受入可能人数:3名)

領域プロジェクト名称 光周波数領域リフレクトメトリ(OFDR)によるファイバグレーティングを用いた分布測定システムの研究
最大受入人数 1名
プロジェクトの狙い 村山研究室では,宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究で,世界最高の空間分解能を持つ分布型光ファイバセンサの開発に成功しました.現在,JAXA,光ファイバセンサ関連のベンチャー企業,大手光ファイバメーカーとともに製品化を目指した共同研究・開発を行っています.本プロジェクトでは,ベンチャー企業などと連携して,この測定システムの製品化や構造ヘルスモニタリングへの応用を目指し,測定システムの高度化や自己診断を可能とするデータ処理技術の検討を行います.なお,応用の適用範囲は,宇宙航空分野のみならず,船舶,プラントやロボットなど様々な工業製品に及びます.
プロジェクトの内容 (1)OFDR・ファイバグレーティングの理解
(2)測定シミュレーションの改良
(3)測定システムの設計・改良
(4)測定実験
(具体的な研究内容については学生および研究協力者と相談の上決定します)
プロジェクト開催場所
  • 工学部仮設プレハブA棟101,102号室
  • 工学部動揺試験水槽(実験室)
プロジェクト計画 4月:文献調査
5月:MATLAB,LabVIEWなどの習得
6月:測定シミュレーションまたは測定システムの設計・改良
7月:成果発表
ホームページ http://www.gisolab.t.u-tokyo.ac.jp/~murayama
領域プロジェクト名称 構造ヘルスモニタリングのための分布荷重推定手法に関する研究
最大受入人数 1名
プロジェクトの狙い 自らの痛みや不快感を感じられる構造物とするための一つの方法として,構造に作用する外力を推定し,その経時的な変動を把握して将来の疲労度や損傷の進展を予測する方法があります.しかし,船体構造や航空機の翼に加わる分布荷重を直接的に測ることはできません.そこで光ファイバセンサで取得された広範囲・高密度のひずみ情報などから分布荷重を推定する手法を逆解析を用いて構築しました.実構造物への適用性を向上させるため,手法を改良し,解析的あるいは実験的にその適用性を確かめます.
プロジェクトの内容 (1)逆解析の理解および有限要素法の習得
(2)逆解析手法の改良
(3)シミュレーションによる適用性の検証
(4)実験による適用性の検証
(具体的な研究内容については学生と相談の上決定します)
プロジェクト開催場所
  • 工学部仮設プレハブA棟101,102号室
  • 工学部動揺試験水槽(実験室)
プロジェクト計画 4月:文献調査・教科書による学習
5月: MATLAB・有限要素法の演習・基礎計算
6月:計算または実験
7月:成果発表
ホームページ http://www.gisolab.t.u-tokyo.ac.jp/~murayama
領域プロジェクト名称 CFRP製舶用プロペラの開発
最大受入人数 1名
プロジェクトの狙い 一般の舶用プロペラは,アルミニウム青銅鋳物で作られますが,その主成分の銅の資源量は急速に逼迫し,価格の高騰が進んでいます.現在,高い比剛性・比強度をもつCFRPを活用することで,プロペラの効率・性能を向上させることができると期待されています.しかし,キャビテーション・エロージョンによる損傷が懸念されており,性能と信頼性向上を両立させる設計・製造技術の開発が求められています.材料の特性評価といった基礎的な内容から,数値解析による最適構造の模索,各製造手法の適用性検証などの応用的な内容のうち,その一部あるいは全てを担当してもらいます.なお,本プロジェクトは企業との共同研究として実施します.
プロジェクトの内容 (1)CFRP製プロペラ開発に必要な技術調査
(2)複合材料力学及び有限要素法の習得
(3)LabVIEWを用いた材料試験の習得
(4)CFRP試験片の特性評価・数値解析による構造設計・製造手法比較
(具体的な研究内容については学生および企業と相談の上決定します)
プロジェクト開催場所
  • 工学部仮設プレハブA棟101,102号室
  • 工学部動揺試験水槽(実験室)
プロジェクト計画 4月:文献調査・教科書による学習
5月:LabVIEW・有限要素法の演習・基礎実験・基礎計算
6月:実験または計算
7月:成果発表
ホームページ http://www.gisolab.t.u-tokyo.ac.jp/~murayama
領域プロジェクト名称 マイクロ・エア・ビークル(MAV)に関する研究
最大受入人数 1名
プロジェクトの狙い 15cm以下の機体で飛行するマイクロ・エア・ビークル(MAV)と呼ばれる小型の飛行ロボットの研究が欧米を中心に盛んになっています.村山研究室では,安全・安心な社会の構築に役立てるよう,日常生活や災害時において人間を支援できるMAVの開発に取り組んでいます.主にDCモータを動力としてヘリコプタのように翼を回転させて揚力を得るタイプの回転翼型MAVについて研究を行っています.4つのローター持つQuadrotor MAVの自律飛行,飛行性能の向上,誘導制御,機体の小型・軽量化などのうちからテーマを選択して実施します.
プロジェクトの内容 (1)Quadrotor MAVの飛行原理・構成システムの理解
(2)MATLABによる制御シミュレーション
(3)マイコンによるモータ制御・データ集録プログラムの作成
(4)CAD/CAMによる機体の設計・制作および飛行システムの実装
(5)動作実験による機体および飛行システムの評価・改善
(具体的な研究内容については学生と相談の上決定します)
プロジェクト開催場所
  • 工学部仮設プレハブA棟101,102号室
  • 工学部動揺試験水槽(実験室)
プロジェクト計画 4月:関連文献・教科書による学習
5月:MATLAB,LabVIEW,マイコンおよびCATIA(CAD/CAM)などの習得
6月:実験または計算
7月:成果発表
ホームページ http://www.gisolab.t.u-tokyo.ac.jp/~murayama

卒業論文(最大受入可能人数:3名)

卒業論文テーマ 光周波数領域リフレクトメトリ(OFDR)によるファイバグレーティングを用いた分布測定システムの研究
最大受入人数 1名
卒業論文の狙い 領域プロジェクトと同じ
卒業論文の内容 新規の場合は領域プロジェクトと同じ.継続の場合は,より深い検討を行います.(具体的な研究内容については学生および研究協力者と相談の上決定します)
卒業論文開催場所
  • 工学部仮設プレハブA棟101,102号室
  • 工学部動揺試験水槽(実験室)
卒業論文計画 9月:文献調査
10~12月:測定システムの設計・改良
1月:実験またはシミュレーションによる評価
2月:論文提出・発表
ホームページ http://www.gisolab.t.u-tokyo.ac.jp/~murayama
卒業論文テーマ 構造ヘルスモニタリングのための分布荷重推定手法に関する研究
最大受入人数 1名
卒業論文の狙い 領域プロジェクトと同じ
卒業論文の内容 新規の場合は領域プロジェクトと同じ.継続の場合は,より深い検討を行います.(具体的な研究内容については学生および研究協力者と相談の上決定します)
卒業論文開催場所
  • 工学部仮設プレハブA棟101,102号室
  • 工学部動揺試験水槽(実験室)
卒業論文計画 9月:文献調査
10~12月:逆解析手法の改良
1月:実験またはシミュレーションによる評価
2月:論文提出・発表
ホームページ http://www.gisolab.t.u-tokyo.ac.jp/~murayama
卒業論文テーマ CFRP製舶用プロペラの開発
最大受入人数 1名
卒業論文の狙い 領域プロジェクトと同じ
卒業論文の内容 新規の場合は領域プロジェクトと同じ.継続の場合は,より深い検討を行います.(具体的な研究内容については学生および研究協力者と相談の上決定します)
卒業論文開催場所
  • 工学部仮設プレハブA棟101,102号室
  • 工学部動揺試験水槽(実験室)
卒業論文計画 9月:文献調査
10~12月:基礎実験または設計手法の構築
1月:実験または計算
2月:論文提出・発表
ホームページ http://www.gisolab.t.u-tokyo.ac.jp/~murayama
卒業論文テーマ マイクロ・エア・ビークル(MAV)に関する研究
最大受入人数 1名
卒業論文の狙い 領域プロジェクトと同じ
卒業論文の内容 新規の場合は領域プロジェクトと同じ.継続の場合は領域プロジェクトよりも進んだ検討を行います.例えば,力学シミュレーションによる翼形状や構造形態の最適化,高度な制御手法の適用,マイコンによる自律飛行実験などを行います.(具体的な研究内容については学生と相談の上決定します)
卒業論文開催場所
  • 工学部仮設プレハブA棟101,102号室
  • 工学部動揺試験水槽(実験室)
卒業論文計画 9月:関連文献・教科書による学習
10月:各種ソフトウエア・測定・制御装置の習得
11~12月:設計・実装またはシミュレーション
1月:実験による飛行システムの評価・改善
2月:論文提出・発表
ホームページ http://www.gisolab.t.u-tokyo.ac.jp/~murayama

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