研究テーマ | 実世界指向型モデリングとシミュレーション |
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研究室の紹介 |
世の中のほとんどの現象や事象は複雑系として捉えられている.したがって,そのような現象や事象を分析し,また予測し,そして制御することは難しいとされる.しかし,より良い分析手法,予測技術,さらに制御技術の確立と高度化が持続可能な社会を形成するために必要とされ,様々なアプローチで研究がなされている.本研究室では,実世界における人間(個),および集団(群)の振る舞いと,環境との相互作用に注目し,計測からのモデリング手法と,データ分析やシミュレーションによる予測手法の開発を行っている.また,環境との相互作用という観点に加え,自然現象をより深く理解するために流体力学を研究対象にしている. |
最大受入人数 | 3名 |
研究室ウェブサイト | http://www.nakl.t.u-tokyo.ac.jp |
実施場所 | 工3号館3階310号室 |
備考 |
・テーマ選択の際は,それぞれのテーマに対して,事前に必要とされる知識を示すので,その点も考慮すること ・研究室の定例ミーティングは通常は火曜日の午後.また,不定期に週1から2程度で勉強会を開催. 必ず参加すること.また,毎日来ることが望ましい |
卒業論文テーマ |
テーマ(1):流体情報の取得と分析(計測,可視化,データ同化,および検索) 1~2名 テーマ(2):人間の行動計測と分析,およびその産業応用 1~2名 |
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卒業論文の狙い |
計測手法,データ分析やシミュレーションによる予測手法の開発を通して,課題設定から課題解決までのながれ,および方法論を理解し,応用展開ができるようになること,そのための技術的なスキルを身につけることが狙いである. |
卒業論文の内容/計画 |
· 流体情報の取得と分析(計測,可視化,データ同化,および検索) 1~2名 フィジカルコンピューティング(テーマ(2)も参照のこと)は,サイバーフィジカルというさらに大きな枠組みの一部になりつつある.この中で,人間の健康状態を表す心拍数,血圧などのデータを個々人に装着したセンサーで取得し,クラウドを介して専門医が診断するといった仕組みなどが実現しつつある.データの多くがクラウド(この場合は単にWebといってもよいが)から取得できるようにもなっているのも一つの特徴である. 一方,環境データの取得は,専門家,あるいは専門的な機関に任されているのが現状であり,個人で取得したものは一部を除いて活用できていない.個人で取得できるものは点でのデータが多く,空間的,時間的な拡がりがないことが一因である.
以上をふまえ, (a) 簡易的な流体計測手法の開発※ をサブテーマとする.また,点から面へと拡がると,データ量が膨大なものになる.そこで, (b) 大規模データの可視化手法の開発 もサブテーマとする.また,シミュレーションの利用が不可欠であることから, (c) 流体シミュレーションとの融合(データ同化手法の開発) をサブテーマとする. サブテーマ間に順序関係はあるが,いずれのサブテーマから始めてもよい.また,それぞれで完結できるように配慮する. また,個人で取得したデータの活用という意味で,ウェザーニュースのようなある種のSNSを利用した気象報告(写真を含めて)をまとめてみるという方法も考えられる.そのようなものもテーマとして設定してもよい. ※(a)は他大学との共同研究
必要とされる知識は以下である.(すべてが必要というわけではないが)
· 人間の行動計測と分析,およびその産業応用 1~2名 従来と比べて安価で簡単にセンサーデータが取得でき,外部機器の制御も可能になっている.例えば,スマートフォンから加速度データ,ジャイロデータ,GPSデータ,RFIDデータが取得でき,ノートPCからArduino やGainerを介して,モーター制御等も簡単にできるようになっている.この枠組みは,フィジカルコンピューティング(Physical Computing)と称されることもある.当初は,メディアアートの分野での利用が主であったが,現在は,産業応用についても考えられるようになっている.(このプロジェクトでは,メディアアートに関するテーマは扱わないので留意すること)
以上をふまえ,人間行動計測と分析に関連する, (a) 視線計測手法と分析手法の高度化 (b) 作業空間での行動計測手法 (c) 行動分析からのモデリング手法 (d) RFIDと画像処理を利用した位置追跡手法 (e) 作業空間における物体認識手法 (f) 行動の理解のための画像検索手法 のいずれかのサブテーマで,まずは基礎技術を習得し,あるいは新しい手法を構築し,産業応用へとつなげる. サブテーマを組み合わせることでテーマ設定を行う場合もある. テーマによっては企業や他大学との共同研究になる.
必要とされる知識は以下である.(すべてが必要というわけではないが)
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備考 | 事前に相談にくることが望ましい. E-mail: sirayama@sys.t.u-tokyo.ac.p |