山口 一 教授

卒業論文テーマ

研究テーマ 北極航路実現に向けた総合研究、特に海氷予測
研究室の紹介

 世界の海洋の約1割は海氷に覆われます。海氷は気候の変動に敏感に反応し、その変化は地球全体の気候システム、さらには生態系へ大きな影響を及ぼすと考え られています。また、海氷に覆われる寒冷海域は未知の事柄が多い場所であり、既存の権利が入りこんでいない場所でもあります。

 近年の温暖化による海氷域の減少に伴って、寒冷海域での海底資源の開発や海上輸送といった経済活動が、急速にすすめられるようになってきました。環境に 配慮した持続可能な開発を実現するため、さまざまな海洋情報を集約・整理・解析し、開発の道筋を示していくことは、急務な課題であると言えるでしょう。

 私たちの研究室では、数値モデルと実地観測・衛星観測によって、海氷の数値予測手法の開発と寒冷域の海洋変動システムの解明のための研究を行っていま す。さらに、それらの成果をベースに、海洋情報の総合的管理・提供手法を考究していくことを目指しています。

最大受入人数 3名
研究室ウェブサイト http://www.1.k.u-tokyo.ac.jp
実施場所 原則、柏キャンパス基盤棟6H1室。必要に応じて3号館3階337室を使用する。
備考

 

卒業論文テーマ
  • (1)北極海の海氷モデリング研究
  • (2)北極海氷の中期予測手法の改良
  • (3)海氷の衛星リモートセンシングに関する応用研究
卒業論文の狙い

(1)北極航路の安全利用に向けて、海氷の短期予測システムを構築する。

(2)北極海氷中期予測の予測精度を向上させる。データの取得、解析(プログラミング)、まとめという一連の作業のすすめかたを習得する。

(3)人工衛星による観測データを用いて海氷変動過程を解析することにより、海氷変動の実態の把握と気候変動予測の高精度化に貢献する結果を得る。データの取得、解析(プログラミング)、まとめという一連の作業のすすめかたを習得する。

卒業論文の内容/計画
  • (1)北極海を対象海域とした数値モデルを用いて、海氷減少メカニズムや海洋構造の変化に着目した数値的・解析的な研究を行い、海氷の短期予測精度を高度化する。
  • (2)現在当研究室では春の時点での夏の北極海氷分布の予測を行っている。本課題では、現在までの予測手法の妥当性を検証したうえで課題を抽出し、精度向上のた めの手法の改良を行う。主に人工衛星による海氷観測データを用いて研究をすすめる予定だが、気象データを用いた北極域での気象数ヶ月予測の手法検討を中心 に行ってもよい。
  • (3)海氷のリモートセンシング観測データの応用解析に関する研究を行う。具体的には、「長期の人工衛星データを用いた北極海の海氷減少メカニズムの解析」「高解像度衛星データを用いた細かいスケールの海氷変動の解析」などの中から興味に応じてアレンジ可能である。
備考 柏キャンパスへの交通費は研究室から支給する。

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