吉田 好邦 教授

卒業論文テーマ

研究テーマ 環境に調和した社会システムをつくるには?
研究室の紹介

地球温暖化対策・環境貢献活動の実践や、制度の社会的実装を念頭におき、工学、経済学、行動科学、農学などの多岐にわたる手法を用いた環境貢献技術の評価を行っています。特にエネルギーにかかわる環境問題について対象を絞らず、問題解決型の研究アプローチを行っています。以下に挙げた研究例のように、研究室で扱っているテーマは極めて幅広い分野にわたるため、皆さんの希望(問題意識)に応じて研究テーマを設定することも可能です。

標準受入人数 3名
研究室ウェブサイト

http://www.ee.k.u-tokyo.ac.jp/

https://www.facebook.com/y.yoshida.lab

実施場所 工学部4号館312号室(卒論生居室:311号室)
備考

希望に応じて柏キャンパスにもデスクとPCを用意します。

卒業論文テーマ
  1. 次世代自動車の普及のための選好調査分析
  2. ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の実証と評価
  3. 客観的な生体指標と主観的申告を統合した温熱快適感の評価
  4. 生活スタイルの変更による省エネルギーの可能性分析

ほか。以上のテーマはあくまで一例であり、配属後の相談でその他のテーマを設定することも可能です。

卒業論文の狙い

以下を参照。

卒業論文の内容/計画
  1. 次世代自動車の普及のためのモデル分析
  2. [内容]

    電気自動車等の次世代自動車は環境面で優れた性能をもっているものの、価格や走行性能、インフラの未整備などにより普及が停滞している。他方、すでに一般向けに発売されている二次電池による電気自動車に続き、2015年に燃料電池自動車が発売されている。これらの次世代自動車を普及させるためには何をどうすることがどの程度効果的なのかを把握することが重要で、そのためには消費者の自動車に対する選好を知る必要がある。一方で、俯瞰的に「低炭素社会」をとらえるとき、自動車以外の産業や家庭での低炭素対策の中で次世代自動車の優先順位がどの程度であるのかを把握することも必要である。本研究では消費者の自動車に対する選好を考慮しながら、自動車以外の低炭素対策を組み込んだトータルエネルギーモデル(数理計画モデル)を開発し、次世代自動車の普及の課題の抽出や政策提案を行う。

    [計画]

    • 既往研究のレビュー
    • 最適化ソフトウェアの学習
    • トータルエネルギーモデルの開発
    • 結果の解析
  3. 客観的な生体指標と主観的申告を統合した温熱快適感の評価
  4. [内容]

    空調に使用するエネルギーは大きい。人間の温熱感に関する研究は多くの研究の蓄積があり、環境実験室内において気温、湿度等を計測するとともに、温熱快適性について評価(スコア)を申告してもらう形式をとっている。一方で、申告された快適感は主観的な評価が避けられない。本研究では快適性の基準となる新たな客観的な指標として、脳血流と心拍変動の計測を導入する。脳血流は、NIRS(Near-Infrared Spectroscopy; 近赤外分光分析法)、心拍変動はポータブル型心電計により被験者実験を行う。

    [計画]

    • 既往研究のレビュー
    • 実験計画の策定
    • 実験
    • 結果の分析
  5. ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の実証と評価
  6. [内容]

    圃場で太陽光発電をしながら農作物を栽培するソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の試みが始まっている。日射の減少による収穫への影響(必ずしもマイナスとは限らない)と発電による収益の増加を考慮することで、経済と環境を両立させる可能性があり、また自立した農業への立て直しが急務である我が国にとって、切り札となりうる可能性を持つ。水田を対象にすると、日本の水田面積の1%に太陽光発電を導入するだけで、日本にこれまで導入されたすべての太陽光発電量に匹敵する潜在量がある。本研究では千葉の水田でソーラーシェアリングの実証を行い、また各種の統計データを用いることで、日本全体のソーラーシェアリングによるエネルギー創出ポテンシャルを推計する。

    [計画]

    • 既往研究のレビュー
    • 統計データ(耕地面積、気象データ等)の収集
    • 千葉の水田での稲の生育調査、収穫米の品質調査
    • データ分析による環境改善効果の評価
  7. 生活スタイルの変更による省エネルギーの可能性分析
  8. [内容]

    近年、スマートメータやHEMS(ホームエネルギー管理システム)の普及によって家庭の電力消費量のデータとして、世帯別、時間別のデータが蓄積されている。1年以上にわたる数百世帯の電力消費データを統計的に検証した結果、世帯別に見ると、朝型生活の傾向がある世帯は、そうでない世帯よりもエネルギー消費量が少ないとの傾向があることが分かっている。しかしながら、実際に夜型生活を朝型生活にシフトすることで、省エネになるのかについてはいまだ検証されていない。本研究では、被験者を募集し、一定の期間について実際に生活スタイルを変更してもらい、その期間の電力消費量を計測する。同時に睡眠時間と睡眠の質を各種センサにより計測し、快適な睡眠や健康への影響が生じるかどうかについても検討する。

    [計画]

    • 既往研究のレビュー
    • 実験の準備(被験者への機器の送付、計測機器の設置)
    • 実験データの回収
    • データ解析
備考

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