青山 和浩 教授


 
研究テーマ システム(=モノ+コト)のデザインとマネジメントに関する研究
研究室の紹介

 製造業における設計,生産システムの領域を中核に,システムエンジニアリングに関する研究を進めています.研究手法としては,① 現実を分析し,② モデルとして表現し,③ モデルを使って計算し,計算結果から ④ 現実の特性を深く理解し,新たな知見を得る という流れを大切にしています.

 モデルの対象は,様々です.共同研究の状況によって変化します.これまでは,人工衛星,自動車,船舶,海洋構造物,集積回路,工場,海上輸送,観光ツアー,フライトサービスなどのシステムを対象としました.これらのシステム自体をモデル化したり,それらを開発設計するプロセスや組織をモデル化したりします.また,生産工程では,工場のモデル化は勿論のこと,プロジェクトのマネジメントのモデル化も取組みます.

  

 研究室では,産学連携の研究課題を中心に研究活動を進めており,研究テーマは次のように分類することができます.

  • システムモデリング/システム設計マネジメントに関する研究(モノのデザインとマネジメント)
  • プロセスマネジメント/サービスデザインに関する研究(コトのデザインとマネジメント)
  • 知識マネジメントに関する研究(モノとコトの知識)
研究室ウェブサイト http://www.m.sys.t.u-tokyo.ac.jp/
実施場所 工学部3号館3F 308 生産システム工学研究室
卒業論文テーマ
  • テーマ1:System of Systems(SoS)に関する研究(Society5.0を実現するシステムデザイン・マネジメント)
  • テーマ2:Data/Text Mining,Machine Larningなどを活用したSystem Design & Management に関する研究
  • テーマ3:Data/Text Mining,Machine Larningなどを活用したSystem Design & Management に関する研究
  • テーマ4:人間中心の生産システム(Industrie4.0)の構築,オペレーションに関する研究

以上のテーマは一例です.配属後の相談で具体的テーマの選定,その他のテーマの検討も可能です.

卒業論文の狙い/内容

テーマ1:System of Systems(SoS)に関する研究(Society5.0を実現するシステムデザイン・マネジメント)

 高度情報化社会の急速な展開は様々なシステムの連携を実現化し,高度なマネジメントが期待される. システムが連携したシステム System of Systems(SoS)に関する研究の必要性が指摘されて久しい. 卒論では,SoSについて研究を進める. SoSの特徴は何か,SoSのモデルは何か,SoSのデザイン・マネジメントは何か など,これまでのSystem を対象とした研究を展開させ,SoSを意識したシステムのデザイン・マネジメントに関する研究を進める. 現代社会が解決すべきSoSが産み出す課題を適切に捉え,モデル化し,解決策を論じることができる方法論を議論し,研究として纏めることを考える.

  

テーマ2:マス・カスタマイゼーションの時代におけるシステムのアーキテクチャ(プラットフォーム/モジュール)のデザイン手法に関する研究

 多岐にわたる要求を満足させながら効率的にシステムを実現するための考え方としてマス・カスタマイゼーションが存在する. 究極のカスタマイゼーションを追求する日本では,マス・カスタマイゼーションに関する研究は遅れており,製造業の未来が危ぶまれる. マス・カスタマイゼーションを実現するためにはシステムの構造を分析し,プラットフォームとモジュールなどで構成されるアーキテクチャを設計する必要がある. 卒業研究では,製品システムの情報モデルの記述方法,活用方法などを勉強し,製品システムの開発設計に関する方法論を議論し,アーキテクチャを論理的に設計する方法論を構築し,製品システム設計支援システムを構築する.

  

テーマ3:System Design & Management におけるData/Text Mining,Machine Learningなどの活用に関する研究

 様々な情報がデジタル化されている現在,製品システムの情報を効果的に活用し,様々な設計知識を抽出することには期待が集まる. これまでの設計・開発の研究のベースが設計者である人間であり,人間の暗黙知を駆動力とする設計の方法論が議論の中心であった. しかしながら,様々な数値データ,製品情報データ,テキストデータなどが集まる現代社会においては,それらのデータを駆動力として製品の設計・開発を進めていく新しいロジックを考える必要がある. 卒業研究では,製品システムの設計・開発において生成,管理されているデータを活用するというスタンスから,データ間の関係等を抽出し,その関係から開発設計で有用な知識を抽出することを試みる. 具体的には,手始めに,製品仕様を纏めたドキュメント,図面,トラブル報告書などの情報源から知識を抽出する手法を考え,提案する.

  

テーマ4:人間中心の生産システム(Industrie4.0)の構築,オペレーションに関する研究

  地球規模で生産システムが革新されようとしている. IoT(Internet of Things)によるIndustrie4.0やIndustrial Internetの実現が国家レベルの競争力を獲得する上で重視されている. システム技術による産業革命である.生産システムにおけるロボット化,自動化は注目を集めるが,その一方で,人間中心の生産システムへの関心も強く,実現が期待されている. 生産システムには様々なコトが存在し,コトによってモノである製品が作り上げられる. コトの実現には人が関与し,様々な人が互いに関与して様々なコトが実現される. 生産システムはサービスシステムの典型であり,強い生産システムを実現するためには,サービスデザインを熟慮する必要がある. 情報技術を駆使しつつ,ゲーミフィケーションの概念を積極的に導入した人間中心の生産システムの構想とプロタイプを構築したい.

  

備考

卒業論文の研究では,研究の方向性から展開方法を議論し,研究を進めます. 修士課程の学生との連携を強化しながら,研究の質の向上を目指します. 対象をシステムとして捉え,そのマネジメントの方法論と,マネジメントを支援するプロトタイプシステムを構築します. 幅広く,深い知識の習得を目的に,共同研究者との状況にも応じて魅力的かつ具体的なテーマを考えていく予定です.

  • 研究室の全体研究会は1回/週の頻度で開催します.それに加えて,個別のMTGで研究を進めます.
  • プログラミングは出来ないけれど,プログラミングに興味がある人は大歓迎です.勿論,プログラミングが得意で,自分の作品(システム)を構築したい人も大歓迎します.
  • 研究成果(卒業作品)は支援システムとなります.→ 支援システムのコンセプトを立案し,プロトタイプを構築して研究を進めます.

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