合田 隆 准教授


研究テーマ 不確かさを捉える数理
研究室の紹介

自然現象や経済活動など、様々な事象の将来予測には不確かさが伴います(100%当たる天気予報はないですし、明日の日経平均株価を寸分の狂いもなく言い当てられる人はいません)。 したがって、その不確かさを考慮した上での意思決定やシステムデザインが必要となります。 「将来がどの程度不確かであるか」を定量的かつ効率的に評価すること、そもそも不確かさを定量評価することにどれほど意味があるのか、 といった課題・疑問について数理科学的視点から研究を行っています。

研究室ウェブサイト https://sites.google.com/site/takashigoda/home
実施場所 本郷キャンパス 工学部3号館 406号室
備考

E&Eコースの佐藤・小林研究室との共同運営です。

卒業論文テーマ
  1. 不確実性定量評価手法の開発(モンテカルロ法の理論と応用)
  2. 不確かさを低減する価値を測る(意思決定論、情報の価値分析、大域的最適化など)

ほか

卒業論文の内容/計画
  1. 「将来がどの程度不確かであるか」を近似的に評価する手法として、モンテカルロ法があります。 互いに独立な将来シナリオをランダムに幾つも発生させてその統計量を見る手法です。 汎用的である一方、収束の遅さが実用上問題になることがあります。 これを改善するための手段として準モンテカルロ法(QMC: Quasi-Monte Carlo)やマルチレベルモンテカルロ法(MLMC: Multilevel Monte Carlo)に着目し、その理論から応用まで広く研究を進めています。 2017年度の卒業論文ではMLMCを用いて「待ち行列モデル」のシミュレーションを効率化する研究を実施しています。
  2. 不確実性を評価するという行為は、それ自体が目的なのではなく、意思決定の合理化やシステムの最適化といった目的を達成するための手段に過ぎません。 同様に、何か追加情報を得たり観測を行うことによって不確実性を減らすという行為も、それ自体が目的なのではありません。 意思決定や最適化といった目的に対して、不確実性を減らすことがどれほどインパクトを与えるのかを知ることによって、適切な情報収集や観測のあり方を特定できます。 不確実性を低減することの価値の定量化、計算アルゴリズムの開発から実際的な問題への応用まで広く研究を行っています。 2017年度の卒業論文では「情報の期待価値分析」をテーマに、計算アルゴリズムを最適化する研究に取り組んでいます。
備考
  1. 研究室のセミナーは週1回のペースで開催します。
  2. 基本的には個別の打ち合わせで研究方針や進捗の確認を行います。

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