松島 潤 准教授


研究テーマ

(テーマ1) 地球資源の地震波探査(地下を視る目)に関する工学的研究

(テーマ2) エネルギー収支比による技術革新評価・エネルギー政策への科学的ツール導入

研究室の紹介

 物理探査は、物理的な手法により地下情報(定量的な物理量)を推定する、いわば「地下を視る目」の役割を果たす技術です。当研究室では、石油・天然ガス探査に主力として使用される地震波探査技術に関する研究を行っています。人工的に励起した地震波を地下に送り込み、観測される地震波形データから多様な情報を引き出すことにより地下の物理的な状態を推測するとともに、室内実験や物理モデルに基づいて、推測の妥当性を科学的に検証するというオーソドックなスタイルをとっています。

 また、地球資源の探査に関する研究をしていきますと、明らかに対象が大深度化、複雑化、小規模化したものに移行していくことがわかります。これは我々の経済原理が探査・開発しやすいエネルギー資源から探査・開発を行っているためです。技術革新によりこれまで探査・開発できなかったものが可能になりますが、投入するエネルギーに対する回収エネルギーの比(エネルギー収支比)が低下していくことは必然の理となります。従いまして、エネルギー収支比に基づいた技術革新評価・エネルギー政策への科学的ツール導入が必須になると考えています。

研究室ウェブサイト http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/jmatsushima/member/matsushima.html
実施場所 工学部3号館454室
備考

 

卒業論文テーマ

(テーマ1) 地球資源の地震波探査(地下を視る目)に関する工学的研究

(テーマ2) エネルギー収支比による技術革新評価・エネルギー政策への科学的ツール導入

卒業論文の内容/計画

(テーマ1)

地震波探査技術を構成する波動論や信号解析技術を題材にすることにより実践的な数理能力を養うとともに、地球資源探査の現場に触れることが狙いです。地震波探査技術の基礎を抑えることから始めて、地下情報抽出の高度化を行うための新規アルゴリズムを開発し、実際のデータに適用する。場合によっては検証のための室内実験も行います。対象は、石油・天然ガス、地熱、メタンハイドレートなどが可能です。手順は以下の通りです。

1. 地震波探査技術の基礎 2. 新規アルゴリズムの開発. 3. 実データへの適用 4. 対象となる地球資源に関する基礎 5. 考察・まとめ

(テーマ2)

エネルギー資源論的素養を身につけ、社会の諸問題をそのような視点で考えるきっかけとすることが狙いです。エネルギー収支比に基づいたアプローチはこれまで多くの研究が実施され、その適用は広範であるので、まずはそれらの概念を把握することから始めます。教員との議論を踏まえて自身の研究テーマを発掘し、公開されている統計データを有機的に利用する方法論を確立していきます。

1. エネルギー収支比に関する文献調査 2. 研究テーマの発掘 3. 統計データを利用する方法論の確立 4. 考察・まとめ

備考

テーマ1に関しては、プログラミング能力がある程度必要です(必要に迫られて修得するのが一番効果的です)。

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