人は誰しも社会生活の中で倫理観を自然に身に付けていく。ただ複雑な現代社会では,人はそのような普遍倫理以外に,専門職業に固有の専門職倫理も身に付けることが求められる。弁護士や医師の専門職倫理はよく知られたものだが,技術者にもやはり技術者固有の倫理,技術倫理が必要である。本講義ではその技術倫理について学ぶ。高い倫理観を有する技術者でも,追い込まれた状況では過ちを犯してしまうことがある。それを防止するには,時間に余裕があるときに具体的事例についてどう対処したらよいか,考える訓練をしておくことである。技術倫理について考える方法論に関する簡単な講義の後,自習およびグループ討論により事例研究し、技術倫理に関する考え方を身に付けることを目的とする。