コース紹介

現代社会を支えるシステムに必要なこと

現代の社会を支える情報ネットワーク、エネルギー供給システム、経済・金融システム、交通システムなどの巨大で複雑なシステムは、 設計建設後のニーズや環境の変化によって、新たな機能が要求されたり、事前の想定が難しいリスクに見舞われたりすることに特徴があります。

例えば、情報通信技術分野では、情報の収集から情報の選択へと人々のニーズが変わってきています。 また、車の自動運転システムでは、現時点では予想できない運転者からの要求や道路状況に応じた新たな機能の追加などが求められるでしょう。

このように、巨大で複雑なシステムの運用には、デザイン(設計)の段階で様々な要求や事象を想定し、 さらに運転中のニーズや環境の変化に対応させて改善するマネジメントが必要になります。これは、デザインの後にマネジメントで補うという一般的な考え方です。

システムデザイン&マネジメントが切り開くもの

私たちは、上の考えを発展させ、デザインとマネジメントを一体として捉えてシステムの構築を図る新しい考え方を提唱しています。

多様な要求に応えるにはマネジメントの自由度を高める必要がありますが、そのためにはデザインの段階から機能の改善や追加を前提とした準備が有効です。例えば次世代の車では、アップデート可能なソフトウェアと電子部品の割合が格段に増えると予想されています。また、デザインへの過度の要求やシステムの過負荷を防ぐには、システムと人・社会の適切な分担のための良好なインターフェースを考えておく必要があります。環境変化に柔軟に対応し、災害等の危機的状況から早期復旧させるためには、組織や制度のデザインとその運用のためのマネジメントが必要です。

このように、システム、人、社会を対象として捉え、デザインとマネジメントを一体として考え、 環境変化に合わせて成長する「しなやかさ」と外乱の影響を緩和する「しぶとさ」を併せ持つシステムを実現することが大切です。これがシステムデザイン&マネジメント(SDM)です。

SDMコースで学ぶもの

システム、人、社会を視野に入れ新たなシステムを創造するイノベーター。それを実現するプロジェクトリーダー。彼らには、複雑なシステムの本質を見抜く洞察力、全体を見渡す俯瞰力、ハードとソフトに対する理解力が求められます。さらに、昨今見られるような国際情勢や世界経済の予想を超える変化に対応するためには、正しい情報を収集し、それを適切に分析し、意思決定に活用できるインテリジェンスと戦略的思考が不可欠です。いずれも高度な能力ですが、こうした能力がこれからのグローバルリーダには求められています。

本コースでは、まず、システム、デザイン、マネジメントの基盤となる工学やプログラミングをしっかりと学んでもらいます。これらをベースに、最新のシミュレーション技術(マルチスケール、マルチフィジックスなど)、レジリエンス工学(外乱の影響を緩和し回復させる方法論)、生命知(生命の持つ適応や自己修復といった優れた能力の応用)、社会のための技術(経済や法規など)といった新しいマネジメント技術を学びます。アウトプット型の演習(プロジェクト)や卒業研究を通して、システムの中に潜む本質的な課題を見つけ出して解き、そして洞察力と俯瞰力を養います。

古田 一雄 教授
古田 一雄 教授
SDMコース コース長