システム創成学科B/Fコース「シミュレーション・デザイン/数理社会デザイン」
2005年度 講義シラバス
科目名
応用プロジェクト〜複雑系の進化
担当教員
陳昱 助教授
種目・単位数
必修 3単位
時期・場所
3年冬学期 木曜3〜5限(13:00-17:30)
本郷 工12号館1階 中会議室
講義の目的
セルオートマトン(CA: Cellular Automata)モデルを用いて複数のコンピュータシミュレーションを行うことにより、複雑系の進化理論の一つである自己組織化臨界(SOC: Self Organized Criticality)を学習し、複雑系の進化プロセスの本質と複雑さの創発メカニズムを理解させることを目的とする。
内容
 本プロジェクトの開始は、まずサンプルプログラムに基づいて1次元と2次元(ライフ・ゲーム)のセルオートマトンシミュレーションを行う。これらのシミュレーションから得た時・空間パターンや、統計データ間のマップを観察・分類することによって、複雑系を表現するセルオートマトンモデルの有効性と複雑さそのものを実感する。
 その後、2次元のシミュレーションプログラムを拡張し、イジングモデルを用いて物理系の磁化現象をシミュレートする。パラメータの調整により、臨界と非臨界の系においてゆらぎの特性を把握する。
 第三ステップの前半では、教科書或いは集中講義を通して、自己組織化臨界という概念、特徴、発生条件などを学習する。
後半では、1次元と2次元のサンド・パイルのコンピュータモデルを実装し、シミュレーションを行う。計算結果のデータの統計性質を調べ、自己組織化臨界という進化機構を持つ系では、一般的な複雑系の特徴を示すゆらぎにおけるべき乗則(power law)を見つける。
教材
Self-Organized Criticality, Cambridge University Press, 1998.
その他の自作資料。
成績評価の方法
出席と課題の完成度。
受講者へのメッセージ
複雑系の科学についての勉強をここから始めよう。
備考