システム創成学科B/Fコース「シミュレーション・デザイン/数理社会デザイン」
2006年度 講義シラバス
科目名
基礎プロジェクト〜材料の変形・破壊挙動とそのミクロメカニズム
担当教員
関村直人 教授、沖田泰良 助手
種目・単位数
必修 3単位
時期・場所
3年夏学期 水曜3〜4限(13:00-16:15)
本郷 工12号館1階 輪講室
講義の目的
実際に材料を変形・破断させ、試料破面を電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等で観察する。これにより、マクロな材料特性とミクロな物質挙動の相関性を理解し、物質・材料世界のマルチスケール性の理解を深める。
キーワード
材料、変形、強度、破壊、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、破面、ミクロマクロ相関、マルチスケール
内容
  1. 材料の変形・強度試験
     微小硬度測定試験機を用いて、実際に材料の強度と変形を評価する。
  2. 変形のメカニズムについての理解
     材料が変形するミクロメカニズムとマクロな材料強度のメカニズムについて議論する。また、実際に使用される材料の変形挙動を、材料の環境における劣化を含めて検討する。
  3. 走査型電子顕微鏡を用いた破壊面のミクロ観察
     破壊機構の違いによる破断面の相違を、電子顕微鏡によって観察する。また、各自持参した試料を用いて、走査型電子顕微鏡による観察を行い、材料のミクロ構造を理解する。
  4. 破壊のメカニズムについての議論
     破断面の相違が何に起因するかを議論する。又、各自が観察した試料のミクロ観察結果を発表する。更に、走査型電子顕微鏡の応用手法について学ぶ。
  5. 原子間力顕微鏡による表面の観察
     原子間力顕微鏡により材料の表面を原子レベルで観察して、腐食など、21世紀に残された材料の課題について議論する。
  6. 最終発表
     各自が、PPTを用意し、これまでやってきたことを纏めて発表する。併せて、学生同士が質問しあうことで、お互いの発表能力を切磋琢磨する。
成績評価の方法
出席とレポート、最終発表を総合的に評価する。
受講者へのメッセージ
人工物システムが長期間に渡ってその目的を立たすためには、材料の健全性を評価する仕組みが必要である。これまで、材料で作られたシステムの特性と時間的変化を評価するために、ミクロとマクロの二つの視点からの工学的アプローチが進められてきた。このような視点を融合する仮想世界の構築について考え、議論してみたい。
備考