元橋一之研究室 テーマ一覧

はじめに

私はハイテク産業のイノベーション実証分析を専門にしております。企業の財務データや特許データなどの現実のデータを用いて、企業の技術企画部門や知財部門、あるいは政府における政策担当部門などでも評価される「使える」分析結果をモットーに研究を進めております。なお、私の研究内容の詳細についてはここを参照。
ただし、領域プロジェクトや卒論という短い期間で、本格的な実証研究を行うことは大変です。従って、学部生の皆さんのプロジェクトとしては、 計量分析に関する様々なツールに触れてもらいながら、よりフォーカスされた問題に取り組んでもらおうと思います。プロジェクトにおける課題に対する取組みを通じて、論理的な思考能力や実社会における問題解決能力を身につけてもらいたいと思います。
なお、分析目的によってそれぞれパッケージソフト(計量経済:STATA、社会ネットワーク分析:UCINET、モンテカルロシミュレーション:Crystal Ball、マルチエージェントシミュレーション:artisocなど)を用いることになりますが、どれも数日でマスターできるものです。また、研究室の場所は本郷キャンパス工学部2号館です。
質問がある場合は、まずメールで問い合わせてください。その際どのようなテーマに興味があるのか教えてもらえるとありがたいです。motohashi@tmi.t.u-tokyo.ac.jp

受け入れ人数

領域プロジェクト:
最大2名
卒業論文:
最大3名

領域プロジェクト・卒論共通テーマ

プロジェクト名称 イノベーションと企業パフォーマンスに関する実証研究
最大受入人数 1〜2名
プロジェクトの狙い 特許データと企業財務諸表データを用いて、企業における研究開発活動を企業価値や生産性などの企業レベルのパフォーマンスに関する実証分析を行う。
プロジェクトの内容 以下のステップで研究を進める。
  1. 研究対象とする業種・企業を選択し、その特許データ、企業財務データを研究室内のデータベースから抽出
  2. 特許データを用いて技術ポートフォリオ分析、発明人に関するネットワーク分析などを実施
  3. 企業財務諸表データから企業のパフォーマンスに関する各種指標を算出
  4. 上記からイノベーションと企業パフォーマンスに関する実証分析を実施
  5. 分析結果についてレビューを行い、問題点の整理、モデルの改良
領域プロジェクト名称 リアルオプション理論を用いた研究開発プロセスの評価モデル
最大受入人数 1〜2名
プロジェクトの狙い リアルオプション理論とは、不確実性が存在する中で行われる投資プロジェクトの評価を行う定量的手法であるが、この理論を企業の研究開発プロセスに当てはめ、実社会におけるデータを用いて評価モデルを構築する。また、モデルを用いたシミュレーション分析を行う。
プロジェクトの内容 本プロジェクトはデータの制約から医薬品における研究開発プロセスを事例として取り上げる。
  1. 文献調査、リアルオプション理論の学習
  2. 医薬品に関する研究開発プロセスの理解・Decision Treeなどモデル概念設計
  3. 実際のデータを用いたモデルにおけるパラメータ推計
  4. モデルを用いたシミュレーションの実施
領域プロジェクト名称 デジタルコンバージェンスに関するシナリオ分析
最大受入人数 1〜2名
プロジェクトの狙い Web2.0や放送と通信の融合など情報・通信ビジネスをめぐる環境は急激に変化している。それと同時にこれまで市場が分断されていたハードウェアベンダー、移動体通信業界、放送業界、公告業界などの情報産業といった業界の垣根が低くなり、市場競争の激化が見られる。本プロジェクトはこのようなデジタルコンバージェンスの動向についてシナリオを作成し、シミュレーション分析を行う。
プロジェクトの内容 以下のステップで研究を進める。
  1. 情報・通信ビジネスの概念整理、分類、主なプレーヤー、市場規模の整理など文献調査
  2. 計量的分析手法に関する学習、STATA、SPSSなどツールの習熟
  3. 利用者における各種サービス需要に関するモデルの構築
  4. シナリオの作成とシミュレーションの実施、ビジネスや政策提言
領域プロジェクト名称 行動ファイファイナンスに基づく金融市場のシミュレーション分析
最大受入人数 1〜2名
プロジェクトの狙い ファイナンスの分野で最近脚光を浴びている行動ファイナンスにおける投資家行動パターンを取り入れた株式や為替などの仮想金融市場を構築し、効率的金融市場仮説では説明ができないバブルの形成や崩壊などの発生メカニズムについて検討する。
プロジェクトの内容 以下のステップで研究を進める。
  1. 金融市場や行動ファイナンスに関する文献調査
  2. マルチエージェントシミュレーションソフト(artisoc)の習熟と簡単なモデルの構築
  3. 本格的なシミュレーションモデルの構築と結果の考察

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