当研究室では、ゲーム理論や経済学などの理論的アプローチに加えて、マルチエージェントシミュレーションや実験経済学の手法に基づいた被験者実験といった方法論を統合的に用いて、社会経済システムにおける諸問題を対象に研究を行っています。以下のテーマは方向性を示すものであり、実際には教員とのディスカッションを通して具体的な内容を決定します。
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領域プロジェクト名称 | 経済実験の手法に基づいたサービスデザインに関する研究 |
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最大受入人数 | 1名 |
プロジェクトの狙い | 現在、急速に進むグローバル化とネットワーク化の影響によって、サービス産業においては、従来型のサービスの効率化や価値の拡大とともに新しいサービスの創出が求められている。新たなサービスのデザインには,消費者の購買意思決定や、サービスが持つ相互依存的なメカニズムを明らかにすることでが重要である。本プロジェクトの狙いは、経済的意思決定に着目したサービスモデルを構築し、検証を行うことである。そのために、実験経済学の手法に基づいた被験者実験により、仮想的な経済環境での人間の意思決定を分析し、サービスデザインの方法論に関して新たな知見を得ることを目指す。さらに、状況に応じてエージェントベースシミュレーションなども追加的に行い、多方面からアプローチする。テーマの詳細については、教員と議論しながら決定する。 |
プロジェクトの内容 |
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プロジェクト開催場所 | 南山堂ビル3階 |
プロジェクト計画 | 4月:文献調査,手法等に関する基礎知識の獲得,テーマ詳細決定 5月:モデル構築,被験者実験の実施 6月:発表およびレポート提出 |
領域プロジェクト名称 | 行動主体の意思決定に着目した持続可能な社会システムに関する研究 |
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最大受入人数 | 1名 |
プロジェクトの狙い | 持続可能な社会の構築は我々が実現すべき大きな課題である。本プロジェクトでは、環境問題に関連するトピックを選択し、その社会システムの構造について研究を行う。具体的には、社会を構成する意思決定主体に着目し、それらの相互作用によって社会が形成されるという視点からモデルを構築し、マルチエージェントシミュレーションを実施する。詳細のトピックについては指導教員と議論しながら決定する。本プロジェクトを通じて、社会システムにおける個人と社会全体とのジレンマを上手く解決し、自律的に持続可能な社会の可能性について追究する。 |
プロジェクトの内容 |
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プロジェクト開催場所 | 南山堂ビル3階 |
プロジェクト計画 | 4月:文献調査,手法等に関する基礎知識の獲得,テーマ詳細決定 5月:モデル構築,シミュレーションの実施 6月:発表およびレポート提出 |
領域プロジェクト名称 | ビジネスモデル形成における共創的プロセスの理論モデル構築 |
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最大受入人数 | 1名 |
プロジェクトの狙い | 例えば商社のような企業は、総合力を活かして社内外の技術やリソースを有機的に結びつけ潜在的な需要を顕在化し新しいビジネスを構築する。そのような形成プロセスは、単にトップダウンで強力な指導者のもので出来るものではないし、逆に自然発生的に生まれるものでもない。各要素の共創的な相互作用を通じて、価値を生み出す新たなビジネスモデルの創出が達成されているはずである。そのようなプロセスを対象に、基礎的な理論モデルを構築する。ゲーム理論などを基礎に、数理的なアプローチを習得するとともに、実社会を意識した問題を対象として課題設定を行い、研究に取り組む。テーマの詳細については、教員と議論しながら決定する。 |
プロジェクトの内容 |
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プロジェクト開催場所 | 南山堂ビル3階 |
プロジェクト計画 | 4月:文献調査,手法等に関する基礎知識の獲得,テーマ詳細決定 5月:モデル構築,理論分析 6月:発表およびレポート提出 |
領域プロジェクト名称 | ネットワーク外部性が働く市場での新技術普及メカニズムに関する研究 |
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最大受入人数 | 1名 |
プロジェクトの狙い | 情報通信技術の急速な進歩に伴い、ネットワーク化された製品が多く開発され、市場が拡大している。携帯電話やPCは分かりやすい代表例であるが、現在では、音楽デバイスやゲーム機、テレビ等の製品でネットワークに繋げて利用できるものも多い。ネットワークに繋がったときに現れる重要な性質として、ネットワーク外部性がある。ネットワーク外部性は、同じ製品を利用する消費者の人数が多いほど効用が高まる性質のことである。他の消費者の意思決定によって自身の効用が変化するため、単に企業が良い技術を開発したからといってそれが社会で普及し価値を生み出すとは限らず、企業側にとっては困難な問題となる。本プロジェクトでは、そのような環境で消費者間のインタラクションを考慮した、新技術普及のメカニズムを明らかにする。ゲーム理論を基礎にしながら、マルチエージェントシミュレーション、被験者実験を用いて分析を行う。テーマの詳細については、教員と議論しながら決定する。 |
プロジェクトの内容 |
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プロジェクト開催場所 | 南山堂ビル3階 |
プロジェクト計画 | 4月:文献調査,プロジェクトの基本方針の決定 5月:手法等に関する基礎知識の獲得,テーマの詳細決定 6月:モデル構築,被験者実験,シミュレーションの実施 7月:発表およびレポート提出 |
卒業論文テーマ | 価値共創を実現する新しいサービスシステムデザイン |
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最大受入人数 | 1名 |
卒業論文の狙い | ネットワーク化とグローバル化が進む現在、製品やサービスが持つ価値を理解し、新しいサービスを設計することが非常に難しくなってきている。また、口コミやネットコミュニティなど、複雑化する消費者間の相互作用の影響によって、イノベーションのサイクルは速く、ダイナミックなものになってきている。本卒業論文の狙いは、サービスの提供者や消費者をエージェント、それらが作用する環境をサービスと捉え、社会の中で価値を共創する新たなサービスを設計、提案することである。そのために、アンケート調査を計画、実施し、それらの分析結果に基づいたマルチエージェントシステムモデルの構築を試みる。さらに、計算機実験やサービス利用の意思決定に関する被験者実験などを行い、提案するサービスモデルの有効性を評価する。テーマの詳細は担当教員と相談の上、決定する。また、卒業研究の達成度によっては、海外を含めた学会発表へのチャレンジをすすめる。 |
卒業論文の内容 |
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卒業論文開催場所 | 南山堂ビル3階 |
卒業論文計画 |
9月:基本的な手法等の学習と関連する文献の調査 10月:卒論の方針,テーマ詳細の決定 11月:モデルの構築 12月:シミュレーション及び被験者実験の実施 1月:結果のまとめ、論文作成 2月:発表および論文提出 |
卒業論文テーマ | 共創的意思決定による持続可能な社会実現のための制度設計に関する研究 |
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最大受入人数 | 1名 |
卒業論文の狙い | 現在、世界的に環境意識が高まっており、持続可能な社会の実現が急務となっている。持続可能な社会は、単に環境を保全し維持し続ける社会であれば良いという訳ではなく、そこで生活する人々が持続的な経済発展を通して豊かに生きていくことができなければならない。社会的価値を生み出しながら環境を保全する社会を実現するためのキーファクターの1つが、共創的意思決定である。基礎モデルを構築し、持続可能な共創的社会の基本的なメカニズムを明らかにする。理論、マルチエージェントシミュレーション、被験者実験を統合用いてアプローチする。さらに、実社会でのデータ等と比較しながら考察する。最終的には、共創的意思決定が実現できる社会制度を提案することを目的としている。テーマの詳細は担当教員と相談の上、決定する。また、卒業研究の達成度によっては、海外を含めた学会発表へのチャレンジをすすめる。 |
卒業論文の内容 |
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卒業論文開催場所 | 南山堂ビル3階 |
卒業論文計画 | 9月:基本的な手法等の学習と関連する文献の調査 10月:卒論の方針,テーマ詳細の決定 11月:モデルの構築,理論分析 12月:シミュレーション及び被験者実験の実施 1月:結果のまとめ、論文作成 2月:発表および論文提出 |
卒業論文テーマ | ネットワーク外部性市場における製造業のサービス化戦略 |
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最大受入人数 | 1名 |
卒業論文の狙い | 日本の製造業は高い技術を持っていながら事業で負けると言われているが、それにはネットワーク外部性が少なからず影響していると考えられる。なぜなら、ネットワーク外部性が働けば、他の消費者がどのような意思決定を行うかが重要で、たとえ技術が優れていなくても製品が普及する状況が簡単に発生するからである。このような状況下で、製造業がどのような戦略を取るべきかを理論的に明らかにする。本卒業研究では、そのような問題を扱うために、ゲーム理論を基礎に抽象的な数理モデルを構築する.理論的アプローチに加え,マルチエージェントシミュレーションや、実際の人間を被験者とした被験者実験によって研究を進める。さらに、人と人工物と社会の相互作用で価値が創出するという考えのもと、ネットワーク外部性社会がどのように価値を生み出しているかについて考察する。先行研究として、価値創成モデルが提案されており、それらをもとに拡張する。なお、テーマの詳細は担当教官と相談の上、決定する。また、卒業研究の達成度によっては、海外を含めた学会発表へのチャレンジをすすめる。 |
卒業論文の内容 |
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卒業論文開催場所 | 南山堂ビル3階 |
卒業論文計画 | 9月:基本的な手法等の学習と関連する文献の調査 10月:卒論の方針,テーマ詳細の決定 11月:ネットワーク外部性市場の調査,モデルの構築 12月:シミュレーション及び被験者実験の実施 1月:結果のまとめ、論文作成 2月:発表および論文提出 |
卒業論文テーマ | 企業の環境活動を促進する社会的責任投資の在り方とその制度に関する研究 |
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最大受入人数 | 1名 |
卒業論文の狙い | 企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)を考慮した投資をSRI(Sociallly Responsible Investment)と呼ぶ。現在、SRIの総資産額やファンド数は拡大しているが、その社会への波及効果については、未だ定かではない。例えば、環境に特化したエコファンドなどは、CO2削減との直接的な相関が見られないという研究成果もある。そこで本研究では、そのような社会的責任投資の理論モデルを構築し、均衡分析とマルチエージェントシミュレーション、経済実験によってそのメカニズムを明らかにする。実験等で得られた知見をもとに、どのような社会制度が必要であるかの議論をすすめる。詳細については指導教員との議論で決定するが、本テーマは産総研との共同プロジェクトの一部として行われるものであり、その協力メンバーとして参画を求める。卒業研究の達成度によっては、海外を含めた学会発表へのチャレンジをすすめる。 |
卒業論文の内容 |
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卒業論文開催場所 | 南山堂ビル3階 |
卒業論文計画 | 9月:基本的な手法等の学習と関連する文献の調査 10月:卒論の方針,テーマ詳細の決定 11月:実態調査,モデルの構築 12月:シミュレーション及び被験者実験の実施 1月:結果のまとめ、論文作成 2月:発表および論文提出 |