登坂 博行 教授 テーマ一覧

領域プロジェクト(最大受入可能人数:3名)

領域プロジェクト名称 自然環境・物質循環システムを理解する
最大受入人数 2〜3名
プロジェクトの狙い 自然環境と社会の総体を理解し、システム解析の基礎を学ぶ
プロジェクトの内容  我々の住む世界は大きく大気圏、水圏、地圏により構成され、その中に社会システムが埋め込まれている。都会に住んでいると何不自由なく暮らせるが、社会システムには水資源などのインフラが必要で、同時に防災対策や環境保全対策が施されていることは忘れがちである。変化しつつある環境や社会システムの将来像を考える時、三圏と人工系の相互作用を熟知し、適切に対処することが次の世代に求められよう。そこで、本プロジェクトでは、知能社会コースの学生として社会と自然に関連する基礎的かつ総体的理解を深めてもらい、後半では数理的な考え方や基礎技術を学ぶことを目的とする。
  • 世界の実情、水政策・環境・災害政策を知ること(統計資料などで数字を把握)
  • 3圏における物質循環系の理解、基礎的な環境科学の理解(書籍読破)
  • 大気・水・熱・汚染物質の流れに関する事象と数理(基礎理論の理解)
  • 数理プログラミング(初歩からハイレベルの行けるところまで)
プロジェクト開催場所 工学部4号館313号室
プロジェクト計画 4月は全体像、5月、6月は現象の数理や基礎プログラミングを行う予定。
領域プロジェクト名称 自然と社会のミステリーの探求
最大受入人数 1〜2名
プロジェクトの狙い 因果のわからぬ自然・社会現象の謎を解釈し理解する
プロジェクトの内容  我々の身の回りの自然現象や社会現象の中には、風が吹けば桶屋が儲かる、といった類の因果がよく理解できない事柄が数多く存在する。しかし、環境問題や社会問題はわけのわからぬまま皮相的な情報から論じられることが多く、あらぬ方向に動くこともしばしば見受けられる。本プロジェクトでは、自然科学や社会科学の不可思議な議論(誤解、謎めいたこと、因果の不明なことなど)をいくつか取り上げ、関連する書籍・論文等を読み理解することで、学生時代に深い知識・洞察力を身につけてもらいたいと考えている。
プロジェクト開催場所 工学部4号館313号室
プロジェクト計画 4月から3~5つほどのテーマにつき読破、なぞの解釈・解析理論の検討、必要な数理技術のトレーニング(初歩から行けるところまでハイレベルに)も行う。

卒業論文(最大受入可能人数:4名)

卒業論文テーマ 水・熱・物質循環システムの数理評価技術の開発
最大受入人数 2~3名
卒業論文の内容

昨今喧伝されている人間文明の将来展望は必ずしも明るくない。地球環境の変化や大規模災害などの自然システムの変動と共に、資源の不足、社会の高齢化などが予想されている。しかし、どのような時代でもより安全で快適な社会システムを設計することは可能であろうし、その責任はその時代を生きる世代に負わされたものであり、常に新しい挑戦テーマでもあろう。
本テーマでは,自然と社会の両システムの調和を目的とした数理技術の開発が目的となる.自然システムが我々に与える恩恵と災害、社会システムが自然システムに放出する大量の汚染物質などを考えるとき、将来においても文明社会と自然との調和は常に言うは易し行うは難しの非常に重要な問題となろう。その達成には、“構成要素”と“全体システム”の双方を先端科学により見通すことが不可欠となる。
具体的には、都市社会システムに密接に関わる水・熱・物質循環系を把握するための様々な研究テーマから選んで卒論研究を進めてもらう.例えば,今までの例としては,

  • 水災害対策関連:大気・河川・地下水系の流動・循環プロセスの解析,津波・洪水氾濫予測・水災害ハザードマップの高度化,自然災害規模の予測シミュレーション・対策立案
  • 環境汚染防止:流域環境汚染解析(窒素等による富栄養化、土壌地下水汚染、大気汚染など)
  • 環境保全・エネルギー:ヒートアイランド,地中熱利用,自然エネと大規模蓄電など
  • 廃棄物対策:廃棄物処分場安全性、放射性廃棄物地層処分の長期安全評価のための超長期流動系における核種移行の研究
  • 流域・都市総合マネージメント:都市インフラ設計のためのシステムダイナミクスの研究、自然環境情報(地形・地質・植生・人工物)の高度解析による空間認識技術の研究
  • その他関連研究(提案可)

卒論研究では、関連知識の取得・問題点の明確化(地球科学的・社会科学的理解を通じて)、必要な調査や実験計画の立案・実施、および数理技術の習得(統計、数値解析)を適宜組み合わせて行なう.常日頃から、自分の成果が将来の社会設計に使えるものとなるように意識しながら研究を進めてもらいたい。

卒業論文テーマ 社会・経済循環システムの因果分析と科学的モデリング
最大受入人数 1〜2名
卒業論文の内容  世界の至る所で社会経済システムが不安定化している。政治・経済政策のどこに誤りなどがあったのか,その原因を解明し改善を促すことは、工学の重要なテーマと考えられる。社会経済循環システムは人間のみならず、自然・資源・人工物などが織り成す系であり、遠隔相互作用をする複雑系である。政治・経済活動は人間がその帰結を知らぬまま行なうがゆえに、決して均衡せず、カタストロフィーも起こる。自然にも同様のカタストロフィー(各種の自然災害)が存在する.現在、社会の動的挙動のモデリングはシステムダイナミクスなどの手法により様々な分野で研究されており、将来的に実際の政策提言につながる成果が期待される所である。
 そこで本研究では、社会システムの動きを追跡するモデリング方法を数理科学的に考えてもらいたい。様々な自然流体循環解析技術などを援用することもできる。歴史的社会経済政策の因果律の解析、社会政策・経済循環の構造解析も必要となる。考えるべきことは盛りだくさんにある。現代の閉塞状況を改善する方策などを提案すべく積極的に研究を行ってほしい。

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