なぜシステム創成学科なのか

なぜシステム創成学科なのか

現在、システム創成学科には、A/環境・エネルギーシステム、B/システムデザイン&マネジメント、C/知能社会システムの3コースが設けられています。

明治時代、大学が発足して以来、工学部は機械、電気、土木などの学科に分かれていました。機械技術者、電気技術者、土木技術者などの養成が工学部の任務だったからです。工学部は本来職業能力を身に付けるための高等教育機関としての目的が明確だったのです。この教育システムは、長く富国強兵、産業振興の国家目標と合致し、効率よくその使命を果たしてきました。明治維新から短い年月で、工業製品としての航空機、船舶などは、急速に世界の一流レベルにまで達し製品としては超一流で、単体としては米国製品と互角、またはそれ以上の例もあったのです。戦後もその流れは引き継がれ、工学部卒業生は、産業振興に大変効果的な働きをし、工業製品の設計と製造に優秀な能力がが集中されたのでした。

このような時代には、概念の明確な工業製品、たとえば、自動車の設計と生産が技術目標として明確で、工学部の教育は、それに合わせて細分化された中で、材料力学や流体力学などの科学的かつ要素的なものをカリキュラムとして揃えればよかったのです。

しかし、21世紀にさしかかる頃には、すべての工学の対象に対して、多次元の問題解決力が要請されるようになってきました。代表的な工業製品である自動車にしても、最初はほとんど機械工学や電気工学を主体に作られた製品だったのです。しかし、今では少なくとも情報や環境に関わる工学、さらに社会科学的な考え方も必要となっています。これからは、これまで以上に多次元の問題解決力が必要な複雑な世界が広がっていきます。社会には多次元の問題解決力を総合化しないと「こたえ」が得られない「問い」が増え、工学の枠組みが大きく拡がりつつあるのです。工業製品だけでなく、複雑な広い分野でのシステムを対象にし、先人達が積み上げてきたもの作りの技術の継承と共に、それらを生かすシステムを構築することが21世紀の工学に求められています。自然システム、人工物システム、そしてそれらを基盤とする社会システムまで工学の対象なのです。

システム創成学科は、以上のような基本理念に沿ってそれぞれのコースで専門教育を行い、未来を担う人材を育成しています。

東京大学

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