卒業生の声

廣瀬 遥 さん2016年度卒・学際情報学府修士課程に進学

廣瀬遥

幅広い学問の中で知識・技能・感性を磨こう

システム創成学科SDMコースは、工学部の中でも最も多様性があり、自由度の高い学科です。私は元々、コンピュータグラフィックスに興味がありこの学科に進学しました。時間割りが比較的自由に組めるので、学科の授業以外にも他学科や他学部の講義を受けてみたり、インターンや海外留学に行ってみたりと、やりたいと思ったことには何でも取り組めました。さまざまな人々との出会いや異なる分野にまで及ぶ学びの過程で視野が広がり、人に学問や研究の魅力を伝えられるようになりたいと思うようになりました。そして、卒業研究では人の意見がどのように広がっていくかのシミュレーションを研究しました。今後はシステム創成学科で身に付けた工学の基礎知識を基盤に、進学先の情報学環・学際情報学府で工学の楽しさを人に伝える研究に取り組んでいきたいと考えています。色々なことに取り組み、そこで興味を持ったことをさらに深く学べたのは、SDMコースの自由度と多様性のおかげです。みなさんも、視野を広げながら専門性も身に付けられるSDMコースで自分の可能性を試してみませんか?

村山 ゆい さん2015年度卒・工学系研究科システム創成学専攻修士課程に進学

村山ゆい

専門性を持った教養人への第一歩

SDMコースは、物理現象だけではなく様々な社会現象を数理的な立場で考える視点や、実際に分析する技能の獲得を目標としています。私は講演会を企画する学生団体に所属していたこともあり、広告や広報に興味がありました。どうすれば人の心を動かせるのかということを数理的にアプローチしたいと思いこのコースを選択し、卒論では人の意見がどう移り変わっていくのかという、一見社会学の様な分野に対して、物理の数式を用いてシミュレーションを行いました。4年生の終わりにはそういった経験を生かしてシリコンバレーにてベンチャー企業のネットワークを担う会社でインターンをさせて頂いたのですが、そこで出会ったエンジニアの方の熱意に触発され、元々文系就職を考えていたところから心機一転、その世界を志すようになり、大学院で日々修行をつんでおります。このように、広い視点を持ちながらも工学的な技能や知識をしっかりと身に付けることで将来を自由に選択できるというのがこのコースの特色です。みなさんもSDMコースで専門性を持った教養人への第一歩を踏み出してみませんか。

舟山 和男さん2008年度卒・公共政策大学院を経て現在は財務省に勤務

舟山 和男さん

システム創成学科で得られたもの

本コースは、①新しい分野に対する対応力を身に付けられること、②シミュレーションを通じて未来を想像する力を涵養できること、が大きな特徴だと思います。

私の現在の職場である財務省は一見工学とは無関係ですが、実際は随所にこの特徴が活きています。日本国を取り巻く情勢は日々変化していて、私たちには局面に応じた対応が求められています。若手であっても自ら問題を調査した上で課題や論点について深慮し、政策として構築していくことが必要です。本コースのプロジェクトでは、問題の構造を捉えるところから始め、それに適した手法を探し、解決するという経験を積むことができ、この経験が現在の仕事にも役に立っています。

もう一つ私の仕事で重要なのは、意思決定の際に未来にどのような可能性が発生しうるか想像することです。一つの政策を実行する際に考えるべきことは沢山あります。シミュレーションも実行前には沢山のことを想定しますが、現実に行ってみると望んでいた結果はなかなか得られません。うまくいかなければその原因を究明し改善するというサイクルを繰り返すことになりますが、これは未来を想像するための良い訓練となりました。

本コースの良いところは、多種多様な人が集まる点です。私のように異分野での活動を将来的に考えている人もいます。このような多様性のある環境下で勉学に勤しめば、必ずや豊かな学生生活を送れることでしょう。

片岡 俊二さん2002年度卒・新領域創成科学研究科を経て現在はプラントメーカーに勤務

片岡 俊二さん

最先端のシミュレーションとその基礎に触れる

私は2003年に本コースを卒業し、現在では石油精製・ガス処理などの設備の設計・調達・建設とそのマネジメントを行う企業に勤務しています。世界各地の顧客の元に良い装置を早く、安く、安全に作り上げるために、装置の性能や構造物の強度をシミュレーションによって予測・評価し、最適な設計を実現するという業務に携わっています。卒業して10年以上たっても、私にとってシミュレーションは重要なキーワードです。

シミュレーションは今や社会にとって必要不可欠な技術の一つであり、力学・化学などの工学から社会システムまで、幅広い分野の最先端のシミュレーションに触れることができるのが本コースの一番の魅力だと思います。とはいえ、学部の2年間というのは限られた時間です。私が学んだことはシミュレーションの技術よりも、もっと基本的な姿勢のようなものだったと思います。講義やプロジェクトは、新しいことをよく観察し、同級生や先生方と意見を交わすところからいつもスタートしました。そして分析をもとにモデルを作り、シミュレーションすることの面白さと難しさを実際に経験することが出来ました。現在でも、新しい課題に直面し何をすべきか考える時に、ここでの経験が生かされています。

どのような仕事にもシミュレーションに近い発想力が必要となる場面があります。最先端のシミュレーションから得られる知識と経験は、将来きっと役に立つはずです。

※旧シミュレーション/数理社会デザインコースの先輩からのメッセージも含んでいます。

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