東京大学

Systems Innovation,Faculty of Engineering,The University of Tokyo

学科長挨拶

学科長挨拶

 システム創成学科は約20年前に総合工学の教育・研究を行っていた4学科を統合し、工学liberal artsの実現、PBL(Project-Based Learning)の実施という斬新な教育方針を持って誕生しました。1990年代後半の日本はバブル景気が弾けて日本経済は混乱し、様々な地球環境問題が世界的に知られるようになり、それまでの判断基準では将来が立ち行かないと、皆が気付き始めた頃でした。そういう時代の転換期に、その閉塞感を打破し、明るい新時代を築くためにシステム創成学科が誕生したのです。設立当初はその理念を理解できない高齢の先生達の強い抵抗も受けました。昔流の、講義と、予め中身の定められた演習・実験の積み重ねによる教育は、確かに効率的です。しかしそれは、学ぶ側が「何のために学ぶか」を意識できていないと意味がありません。時代は変革しており、産業を含めて流行りのサイクルも短くなり、多様性が急速に進展していました。学生側が「与えられる教育」ではなく「攻める教育」を受けねばならない時代で、教育者はそれを提供しなければならない時でした。その要請を強く意識して、中堅から若手の教員を中心に、手の掛かるPBLを中心としてその周囲に多様な基礎科目を配置するという教育を始めました。幸いにも意欲と意義を感じ取ってくれた、優秀でかつ物怖じしない学生たちが多く進学してきてくれて、今や、卒業生は国内外の様々な分野で活躍しています。
 普通、教養学部から専門への選択を間違えた場合、1年無駄にします。システム創成学科では多様な先生がいますし、PBLを通してその先生がどの学問分野を基礎とし、どの産業分野を対象として研究を進めているか、実感することができます。進学後に自分が将来進もうと思っていた方向性が、実は肌に合わないとわかったら、1年無駄にすることなく別の方向に進むことができます。
 システム創成学科は更に未来を見つめます。国際性の拡張、マンネリの打破、研究活動が持っている高質な創造性の伝達などです。システム創成学科の教育方針は変わりません。「学生は、型に嵌めるな、ツボに嵌めろ」です。

2019年4月
システム創成学科 学科長 山口 一

pagetop